ミッション2030が必要な背景

主イエス・キリストが復活し、聖霊(神のエネルギーのようなもの)が弟子たちに注がれ、教会が誕生した。それから現在に至るまで約2000年間にわたり、聖霊の働きによって、キリストの教会は存在し続けています。聖イグナチオ教会(東京教区麹町教会)も同じ聖霊に支えられながら、今も神の救いの恵みを分かち合っています。
1999年に新聖堂が建設されるにあたり、私たち信徒の意識も新たにしていこうという意向で、「意識の転換」という改革を行いました。それによって、新聖堂の誕生とともに教会全体の活動が劇的に活発化しました。それから約15年が経ち、教会の中も変化し、教会を取り巻く社会環境も大きく変わってきました。この変化の中で、神は私たちに今、何を期待しておられるのか、何を心がけていくように望んでおられるのか、もう一度問いなおす時期になったと思いました。
2015年より「教会生活見直しワークショップ」を行い、さまざまな観点から教会生活の見直しを行ってきました。そして、2030年にむけて教会が歩んでいくべき指針として、「ミッション2030」という基本指針を決定しました。2017年の4月より、その実現にむけて私たちの意識のあり方を変えていけるよう、具体的な活動を開始したのでです。

ミッション2030がめざすもの

「ミッション2030」とは、私たちキリスト者の心の向けどころを方向転換する試みであると言えるでしょう。
見直しワークショップの中で、教会内のさまざまな問題を見つめてきました。ところが、最終的に気づいたことは、真の問題は教会の中にあるのではなく、社会の中にあるということでした。つまり、聖霊に導かれた教会の使命は、教会そのもののためにあるのではなく、多くの苦しみや悩みをかかえた人びとのためにあるという単純な気づきです。
そのためには、まず私たちが祈りを深めて、救いの喜びを実感し、生活の中でそれを生きていくことが大切である(第1の柱)。そして、信徒一人ひとりが自らの使命を自覚し、社会(職場でも家庭でもどこでも)の中で福音を生き、福音を宣べ伝えていくことが求められている(第2の柱)。それは独りでは難しいし、仲間の助けも必要だ。教会の中に、ともに集まれる場があり、互いに助け合い、支え合っていく共同体的な交わりが欠かせない(第3の柱)。そのような中で、司祭と信徒の役割を見直しながら、新たな「きょうどう」の形を築いていく(第4の柱)。この4つの柱を通して、教会が使徒的共同体として、悩める現代社会に少しでも貢献していくことをめざしているのです。

祈りのカードの意味

私たち信仰者は神の恵みによって生かされている存在です。自分の力で何かを成し遂げていくわけではありません。だから祈ることは、最も大切なつとめです。祈りを通して、神がより力強く働かれることによって、私たちは少しずつミッション2030の理想を実現していくことができるでしょう。そのような意向を込めて、毎月1つのテーマに絞って、祈っていくことにしました。
この方法は、聖イグナチオの霊操に出てくる、特別究明という方法です(霊操24番から26番)。一月かけて、1つのポイントだけに焦点を当て、朝、その恵みを願う。そして、夜、その恵みを得たかどうかふりかえり、明日にもその恵みを願うのです。たった1つのことだけを1ヶ月間願い求めていくならば、主キリストは必ずや答えてくださるでしょう。

英 隆一朗(イグナチオ教会助任司祭)

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