第6回 短い聖句を唱える祈り-2 射祷を繰り返す

2.射祷を繰り返す

それをさらに繰り返すこともできる。

心から祈りがわき上がってくると、たった1回だけでなく、何回も繰り返したくなることもある。

あるいは、繰り返すことによって、心が集中し、さらに祈りが深まることもよく体験することだ。

アシジの聖フランシスコが回心の生活を始めた頃、友人のベルナルドの家に泊まった。

ベルナルドは彼と同じ部屋で眠ったが、眠るふりをしてフランシスコの様子をうかがっていた。

フランシスコはベルナルドが眠っていると思って、起きだし、ベッドの前で一晩中祈っていた。ただ「わが主、わが神よ」と繰り返しながら。彼の祈る姿を見て、ベルナルドも回心して、主に従う兄弟になったと言われている。

フランシスコの祈りはトマスの言葉を射祷として、ただ繰り返していただけだった。

フランシスコはあまりに深く神を愛していたので、その言葉を一晩中唱えざるをえなかったのだ

。フランシスコもその一言にさまざまな思いを込めて、一晩中唱えたのだろう。過去の罪に対する悔い改めの心、主への心から信頼、神への熱烈な愛など、さまざまな思いが詰まっていたのだろう。

実際のところ、ゆっくりと繰り返すことによって、だんだんと集中してくることはよくあることだ。

繰り返しながら、心の患いや囚われからだんだんと解放されて、最後には心に平安と愛があふれてくるようになるのだ。

特に不安に襲われたり、心が千々に乱れるときに、射祷を何回も繰り返してみたらどうだろうか。

いつの間にか、心に安らぎが回復してくることはよく経験することだ